現在、『新規事業立ち上げ』と『新規事業の立ち上げ支援』を行なっている私が選ぶ“本当に役立つ本”をご紹介します。
経験上、ベストセラー本だけど実際の現場状況と乖離していて、あまり役に立たない本が多くあります。
わたしは営業畑から新規事業部門に異動になり、知識・経験0の状態から新規事業の立ち上げを行いました。
当時、新規事業をやったことのある人が周りにおらず、わたしは書籍や知人から新規事業の立ち上げを学びました。
その中で本当に役に立ったなと思う本を今回11冊に絞りましたのでご紹介していきます。
【新規事業をやるなら必ず読んでおきたい一冊】
新規事業で実践していくことは、「正解・不正解」が誰にもわかりません。
重要になってくるのが、「自分なりの結論を出して進める」ことです。
この本ではそこに役立つ知識を学ぶことができますので、新規事業担当者は必読の一冊です。
この本はAmazon audibleだと無料で聴き読むことができます。
もしAmazon audibleの会員じゃなくても無料体験で一冊タダでもらえますので、
ぜひこの本を手に入れてください。
ちなみに、Amazon audibleの会員になるとこんな特典があります。
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「新規事業立ち上げの教科書」
●現場で役に立った場面
本書内で、「新規事業の成否は結局、営業力で決まる!」のタイトルにあるように、新規事業は、新しい商品やサービスを考えているだけではなく、営業を重視しないと事業は立ち上がらないと教えてくれた一冊です。
●著者
CVC JAPAN株式会社 代表取締役社長 冨田賢(とみたさとし)
●概要
この本では、新規事業には営業力が重要であると書かれています。
しかも、新規事業の成否は営業力で決まると強く言い切っています。
実際の新規事業の現場では、どんなに優れた新商品・新サービスでも営業がないと売れないのは事実です。
起業家やフリーランスになった知り合いに話を聞いても、お客さんを見つけるのが最も苦労したと言っています。
「起業家やフリーランスになるなら、サラリーマンの内にお客さんとの関係構築をしておいた方が良い」と何人にも聞きました。
タイトルの通り、新規事業を立ち上げるための全体ノウハウが書かれている良書でもあります。
●一部紹介
- 新規事業の成否⇄営業力の有無
- アライアンスするにも、提携先の発掘や交渉は新規開拓営業と同じ
- 新規事業チームの構築においては、営業力のある人を入れることが必要。そうしないと進まない
- 技術系や企画部門の人も、営業力をつけることが必要
「成熟社会のビジネスシフト」
●現場で役に立った場面
「モノが溢れ、困りごとを持っていない成熟社会」を生き残っていくには、これまでの先入観と習慣を捨て、消費者と共感してイノベーション創造に取り組むことが必要であるということを教えてくれた一冊です。
●著者
株式会社ロードフロンティア 代表取締役 並木将央(なみきまさお)
●概要
この本は、ホリエモンの「時間革命」を抑え、amazonや書店ランキングで一位を取った本です。
著者の並木将央氏は、株式会社ロードフロンティアの代表取締役社長で、「The Japan Times」の「次世代を担う100人のCEO アジア2014」に選出されるような優秀な方でメディアにも度々出演されています。
「次世代を担う100人のCEO アジア2014」に選出されたときに、日本人として他に選ばれた方は、テンプスタッフやスターバックス、ジャパネットたかたの代表も選出されており、選出された中では最年少だったそうです。
●一部紹介
人は新しいモノが好きだが、ある一定の満足感を得てしまうと、それ以上のモノを特に欲しいと思わなくなる。
成熟社会では、この現実が大きな課題となっている。
新しいものが好きで興味があるが、お金を払ってまで手に入れたいとは思わない。
なぜなら今の状態で困っていないから。
イノベーションのタネを見つけるには、消費者の普段の当たり前の行動をよく観察することです。
人間は、答えは持っていないが、潜在的に困りごとはあるため、普段の行動をよく観察することで、潜在ニーズを顕在化することが有効なのです。
イノベーションのタネのヒントワードは、「不合理な周期性」です。
●書評紹介
「サードドア: 精神的資産のふやし方」
●現場で役に立った場面
人生の成功を掴み取るサードドア(成功のドア)を開けるヒントは、“行動する”ことである。
うまくいくことの方が少ない新規事業において、失敗しても失敗しても立ち上がり調整する著者の姿を見て、モチベーションがあがってくる一冊です。
●著者
アレックス・バナヤン
1992年8月10日カリフォル州ロサンゼルス生まれ。
2012年「フォーブス誌」が選ぶ「30歳未満の30人」、2015年には「ビジネス・インサーダー」誌が選ぶ「30歳未満の最高にパワフルな人物」の一人に選出される。
現在は、キーノート・スピーカーとして世界中のビジネス・カンファレンスで講演しています。
アップルやナイキ、ハーバード大学といった組織のリーダーシップチームにサードドアの精神をプレゼンしています。
●概要
本著は「フォーブス」誌で「2018年に読むべきキャリア本トップ5」に選ばれています。
ビル・ゲイツ、マヤ・アンジェロウ、スティーブ・ウォズニアック、ジェシカ・アルバ、ピットブル、ティム・フェリス、クインシー・ジョーンズ、ジェーン・グドール、ラリー・キングなどそうそうたるメンバーへのインタビューを行い、サードドアを開けることで収めた成功について書かれています。
私個人的には、著者アレックスが、地位も資金もコネクションも何もない大学生から、世界の著名人たちに次々とインタビューをしていく勇敢な姿に感動を覚えました。
うまくいくことの方が少ない新規事業において、モチベーションを維持するのは重要な要素です。
その上でモチベーションを向上させる一冊は手元に置いておくことはおすすめします。
本書では、インタビューを成功させるまでは失敗の連続ですが、それでも諦めない著者の姿を見て、夢にチャレンジすることへの楽しさや辛さ、夢を叶えた時の人間の姿を知ることができます。
行動することへのモチベーションに繋がると思います。
●一部紹介
「人間はチャンスの時に「フリンチ(恐れや痛みに思わず〕後ろへ下がる、ギクリとする)」が襲ってくる。著者だけでなく、世界的な著名人もフリンチを経験してきており、成功している人物は、フリンチを乗り越え、サードドアにたどり着いている。」
「未来に向かって(人生の)点と点をつなげていくことはできない。できるのは、振り返ってつなげることだけだ。だから僕らは信じるしかない。今していることが、いつか何らかのかたちでつながっていくんだと」
●書評紹介
「まんがでわかるデザイン思考」
●現場で役に立った場面
現在トレンドになっている「デザイン思考」の全体像を、サクッとマンガで理解したい人に超オススメの一冊です。
●著者
漫画家 小田ビンチ
●概要
仮説思考では現代社会の消費者インサイトを見つけることは難しい。現代では、デザイン思考によるPDCAの高サイクル化が重要であることがわかる。マンガなのでサクッと読めて、ビジュアルでも理解しやすい。
本書は、カフェチェーン最悪の赤字店の店長を命じられた社会人3年目の主人が、デザイン思考に精通する老人のアドバイスを受け、赤字店のイノベーションに立ち向かう。
デザイン思考の3つのプロセス「着想」「発案」「実現」を具体的なノウハウ満載で、マンガで説明してくれてわかりやすいです。
●一部紹介
イノベーションは科学技術さえあれば生まれるものではない。人間の持つ意志・不屈の努力・それぞれの想像力を持って人間が人間のために成し遂げるものだ
「新しいアイデア」は人間が思いつくものであり、「価値」は人間にとっての価値である
「ビジネスモデル2.0図鑑」
●現場で役に立った場面
100個のビジネスモデルを図式化して見える化した一冊。ビジネスモデルってなに?どうやってビジネスモデルって考えるの?という方にオススメの一冊です。
●著者
株式会社そろそろ代表取締役 近藤哲朗
●概要
過去のビジネスモデルを学べる一冊は、新規事業担当者であれば、必ず手元に置いておきたいです。
自分のアイディアを膨らませたり、ビジネスモデルに落とし込むときの参考にしたり、使い方は多々あります。
本書は世にあるビジネスの中から、100個を選び、「ヒト、モノ、カネ、情報」の観点で分類しています。
・ヒト=新たな「ステークホルダー」を巻き込む
・モノ=新たな「コアバリュー」を提供する
・カネ=新たな「お金の流れ」をつくる
・情報=新たな「テクノロジー」を使う
本書で見える化されているビジネスモデルの一部を紹介します。(目次の上から抜粋)
【ヒト】
・Humanium
・ソーシャルインパクトボンド
・SCOUTER
【モノ】
・Bulletin ・Optoro ・俺のフレンチ など
【カネ】
・Lemonade
・ポルカ
・タイムバンク
【情報】
・Farmers Business Network
・プチローソン
・ZOZOSUIT
●一部紹介
生き残るビジネスモデルには「逆説の構造」がある。
本書で紹介している100のビジネデルの共通点
・「逆説の構造」がある
・「八方よし」になっている
・「儲けの仕組み」が成立している
「すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術」
関連書籍
●現場で役に立った場面
ビジネスモデルの整理、経営会議向け投資資料の整理に必要な一冊です。
わたしはこの本の中で紹介されている方法でうまくいきました。
●著者
クエイティブマネジメント株式会社 代表取締役 高橋政史氏
●概要
「Sの付箋」で仕事の設計図を描き、「物語プレゼンテーション」のフォーマットでプレゼンをする。
わたしは今でもこの二つの方法をベースにして、社内外のプレゼンテーションを行なっています。
自分の思考整理にも勿論なりますが、お客様のこちらが伝えたいことがシンプルなので、理解しやすいのだと思います。
思考整理したい、プレゼンをうまくやりたい、提案書の質をあげたいなどの悩みがある方にはおすすめです。
また、本書では、「本を一冊15分で読む」方法も紹介されていますので、インプット量を増やしたい方にもおすすめです。
●一部紹介
「Sの付箋」とは、誰の?、何が?、どのようにして?、どうなった?、で、要は何がいいたいの?を整理していくこと。
「強い会社が実行している「経営戦略」の教科書」
関連書籍
●現場で役に立った場面
マーケティングリサーチの意味と方法を理解させてくれた一冊です。
●著者
アジア太平洋マーケティング研究所所長
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科客員教授 笠原英一氏
●概要
本書は、経営戦略の教科書として発売されていますが、現場レベルでも十分に活用できる一冊です。
マーケティングリサーチとは、STP+4Pを明確にすることであると書かれており、その手法を手順を追って説明してくれています。
内容が少々アカデミックなので、何度か読み返しが必要ですが、読み返していくうちに、本書で提議していることは至ってシンプルなのだとわかると、非常にわかりやすくまとめられた本だと感じるはずです。
●一部紹介
考えることは誰でもできるし、よいアイデアを思いつく人も少なくないです。しかし、それを実践して価値を創造できる人は、ごく一部です。
「アイデアのつくり方」
●現場で役に立った場面
アイデアの製造過程は1つの流れ作業である
●著者
ジェームス・ウェブ・ヤング
アメリカ最大の広告代理店・トムプソン社の常任最高顧問、アメリカ広告代理業協会(4A)の会長などを歴任。
広告審議会(AC)の設立者で元チェアマン(1886 – 1973)
●概要
初版は1940年に出版され、約80年間売れ続けている超ロングセラー本です。
タイトルそのままに、アイデアをどうやって手に入れるかについて書かれています。
私も、自分のビジネスを考える時に読ませてもらい、心がだいぶ軽くなったことを覚えています。
原著は、1940年に出ているそうですが、今から約80年前にこの内容が書かれていたことに、私は非常に驚きました。
なぜならば、現代のアイデアを生み出す場でも、十二分に通用する内容だからです。
ジェームス氏が提唱する、5つの手順とアイデアをつくり出す原理は不変なのです。
だからこそ、今でもアイデアを生み出す現場では、この本が参考本として、 受け継がれているのだと思います。
100ページ程度にまとめられている本でとても読みやすいです。
●一部紹介
アイデアとは、既存要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない。
既存要素の新しい組み合わせを考えるのに必要な才能は、物事の関連性をみつけ出す才能に依存する。
●書評紹介
>>名著『アイデアのつくり方』から学ぶ新規事業アイディアを生み出す5つのプロセス
「ビジネスプラン策定シナリオ」
関連書籍
●現場で役に立った場面
新規事業企画の教科書といえる一冊です。
新規事業企画担当になった時から今でも、事あるごとに見返しているバイブル本です。
●著者
株式会社HRインスティテュート創業者 野口吉昭氏

●概要
ビジネスモデルとは?、ビジネスアイデアの見つけ方とは?といった初歩的なことから、リサーチ手法の紹介、プレゼン資料の作り方などの現場レベルのこと、さらには、事業収支プランの作成ポイント、資金調達の方法といった実務レベルまでを詳しく解説してあり、本当に新規事業の教科書です。
「新規事業立ち上げの教科書」かこの本か、どちらかは一冊手元に置いて、詰まったら見返すようにしておくと良いと思います。見返す度に新しい発見があります。
●一部紹介
新規事業の失敗も、既存事業の再構築の失敗も共通するのは、
「自分の思いだけで、ユーザの立場、ユーザのベネフィット、ユーザの利用シーンをしっかり見つめていない」
「競合状況を把握しないで、ひとり芝居を演じている」
「絶対に売り尽くしてやるをいう売りのパワーが見えない」といったものだ。
簡単に言うと、「ひとり芝居」なのである。
「起業の科学 スタートアップサイエンス」
関連書籍
●現場で役に立った場面
起業に一番大切なことは相手の課題をとことん把握することだ
●著者
ユニコーンファームCEO 田所雅之氏
●概要
著者は実際にシリコンバレーで起業しているし、国内外で多数のスタートアップ企業の評価やアドバイスをしており、内容は具体的です。
新規事業担当者になった間もない頃、うまくいかなく悩んでいたときに本書を購入しました。
リーンスタートアップに基づいた新規事業立ち上げプロセスが書かれています。
わたしとしては、前半に書かれていた、「新規事業においては、いかにターゲットの課題を把握していくかが大切である」という部分が、今でも新規事業の根幹になっています。
●一部紹介
スタートアップにおいて最も重要なアイデアは何か。それは、課題の質にフォーカスすることである。
良いビジネスアイデアは、ソリューションではなく課題にフォーカスしている
課題の質を決める3つの要素
・高い専門性
・業界(現場)の知識
・市場環境の変化(PEST)に対する理解度
●関連記事
>>新規事業アイディアを考える時に絶対に忘れちゃいけない重要ポイント
「これだけ!PDCA」
●現場で役に立った場面
新規事業立ち上げに最も重要なスキル『PDCAサイクル』を使いこなせるようになる
●著者
船井総合研究所 シニアコンサルタント
川原慎也(かわはらしんや)
【現職】
みなとみらいコンサルティング株式会社
代表取締役 川原慎也
●概要
本書は、PDCAサイクルを使ったマネジメントを主眼として書かれている一冊なのですが、新規事業にあてはめられるスキルが多く書かれています。
新規事業は、いくつもの仮説設計と検証を繰り返して答えに辿り着く必要があります。
つまり、PDCAをまわせないと答えに辿り着ける可能性が低く、新規事業においてPDCAは絶対的に必要なスキルです。
しかし、PDCAが大事ということはわかってはいるけど出来ないという人が多くいます。
本書では、なぜPDCAサイクルが回らないのか?どうしたら回せるようになるのかが丁寧に書かれいて、わたしも新規事業に行き詰ったときに振り返る一冊です。
●一部紹介
なぜPDCAサイクルが回らないのか?
➤すべての原因は「計画のダメさ」にある
計画策定を邪魔するものは、
・やらされ感
・成果主義制度
・現状把握力の不足
多くのサラリーマンが抱えるこのような悩みを持ちながら、どのようにPDCAサイクルを回していけば良いのか事例を交えながら紹介されています。
●関連記事
>>新規事業立ち上げに必要なPDCAサイクルとは|できないと立ち上がらない
まとめ

今回は、「新規事業担当者が選ぶ本当に役立つ本【11選】」をご紹介してきました。
ネットでよく紹介されている本とは少し違った本もあったかと思います。
実際に現場で苦しみながらやっていると、先駆者が書いた一文に救われることも少なくありません。
ぜひ、これから新規事業に取り組まれる方、現在取り組まれている方にご参考いただきたいと思います。
それでは今回はここまでとさせていただきます。
今回の記事が、小さなことでも、何かあなたの人生のお役に立てましたら幸せです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。