あなたは、会話が弾まないことで、どんな悩みを持っていらっしゃいますか?
「職場の人との人間関係がうまくいっていない」
「部下がやる気を出してくれない」
「初めて会うお客様と何を話して良いかわからない」
など、会話が弾まないことによる人間関係の悩みは色々ありますよね。
私は、お客様との接待やセミナー後の懇親会など、お酒が入った席が少し苦手でした。仕事の話ならいくらでも出来るのですが、会話を弾ませて、その場が盛り上がる必要のある会話に悩んだこともありました。
この、会話が弾まないことによる悩みを解決してくれたのが、『コーチング』と呼ばれる技術です。
今回の記事では、私がコーチングを通して学んだ『聴く力(傾聴)』についてご紹介します。聴く力は、コミュニケーションを取る上で根幹になると私は考えています。ビジネス、プライベートでの人間関係に悩みを持っている方は、必ずお役に立つと思いますので、是非読んでみてください。
コーチングとは
コーチングとは、【目標達成やパフォーマンスの向上、問題解決を、コミュニケーションによってサポートするもの】です。あくまでサポートであり、教育や指示を行うものではありません。
相手の中に既にある、“解”を掘り出し、見える化してあげて、行動の約束をするのがコーチングです。
コーチングの威力
私が初めてコーチングを経験したのは、クライアント側でした。
当時、やっと手に入れた仕事のチャンスを、自分の力不足により、1年という短い期間で取り逃がしてしまった事があり、かなり落ち込んでしまい、この先の人生の方向に迷っていたときでした。
自分で自分のことが分からなくなってしまい、誰かに『自分がどうしていきたいのか』を整理して欲しくて、インターネットでコーチングというスキルを持った人が世の中にいることを知りました。
そのコーチングを受けていく中で、コーチと会話をしているだけなのに、今まで気づかなかった自分や、本当は自分がこうしたいという意思が、次々と自分の中から湧き出てくる感覚を味わいました。
今まで何の関わりもなかったコーチと、家族にも友人にも話をしたことの無かった悩みや、自分の考えを、どんどん引き出されて、話をしてしまっていたのです。
そのお陰で、自分自身がどんな価値観を持った人間で、何がスイッチとなりモチベーションがあがるのかをコーチングで知る事ができました。
私は、この会話を通して相手の可能性を広げていくコーチングという技術に驚かされ、この経験を私の周りにいる仲間に広げたいと思い、コーチング基礎養成講座に通い、コーチングを学びました。
コーチングは大きく分けて、
- 傾聴
- 質問
- 承認
の基本スキルに分かれます。
今回は、私が勉強して、会話を弾ませて、人間関係を良好にするのに役に立つと考える、『傾聴』についてご紹介していきます。
傾聴は相手の中にある“解”を掘り出すための土台
【土台①】人は誰もがもともと無限の可能性をもっており、欠けるところのない存在である
人には好き嫌いがあり、嫌いな相手のことを思い浮かべて、「欠けるところのない存在」と言われたところで、この言葉を咀嚼することは難しいかもしれません。
しかし、傾聴力をこれから鍛えていくあなたには、この言葉を咀嚼して、相手には必ず可能性があり、欠けるところのない存在であることを信じてもらう必要があります。
まずはじめに、あなたにやってもらいたいことなので、意識することから初めてください。
いつも悪いところばかり見ていた嫌いな相手にも、「こいつにはどんな可能性があるんだ?」と見ることによって、良い部分や尊敬できる部分が、見えるようになってきます。
そうすることで、あなた自身、嫌いな人がそこに居るだけで嫌な気持ちになっていた時間も解消されていきます。初めは自分のためと思って構いませんので、『人は誰もがもともと無限の可能性をもっており、欠けるところのない存在である』を意識していきましょう。
【土台②】課題・問題の答えは、相手が既に持っている
どんな相手でも、あなたとは別の能力、知識、技術があり、様々な経験を相手は持っていて、相手は個性による考えを持っています。そのため、あなたや相手が今は予測できなくても、課題・問題を解決するのに必要な答えは必ず相手が持っています。
これは、私自身がコーチングを受けている時に実体験しています。
「自分が何をしたいかわからなくなってしまった」と言っているにも関わらず、私のコーチは、私の中にその解はあると、最初から最後まで信じていました。そして、角度の違う質問や会話を通して、私の価値観を見える化してくれ、私が向かいたい道に導いてくれたのです。
その体験から、私も、どんな相手にも既に解はあると信じる事が出来ています。
この考えを普段の会話に置き換えて考えた場合、相手と会話をするときは、どんな話をして会話を弾ませようかと考える必要はないのです。なぜなら相手は、話をしたいと思っていることを既に持っているので、それを聴いてあげることで、自然と会話は弾んでいきます。
会話を弾ませるためには、相手が話したいことを話してあげれば良いということです。
【土台③】答えを掘り出すパートナーになる
コーチングを受けた時の私がそうでしたが、はじめに会話をする際に、相手が答えを持っていますが、それに気づいていないことが多いです。気づいていないから、悩んでいるのです。
仮にあなたがその答えがわかったとしても、あなたのその答えを相手に伝えてはいけません。答えを言ってしまったら、相手は何も考えない人間になってしまいます。あなたに答えを求める「受け身人間」になってしまいます。答えを相手が自分で発見することが相手の意欲に繋がることを忘れてはいけません。
これを冒頭に書いた「部下がやる気を出してくれない」という課題に置き換えると、もしかしたら、いつもあなたが相手に答えを伝えてしまい、部下が受け身人間になってしまっているのかもしれません。もし当てはまるかもしれないと思った場合は、答えを伝えるのをやめて、部下に答えを発見してもらうように誘導してみましょう。
きっと部下の意欲につながることで、やる気も出してくれることでしょう。
傾聴するためのスキル
【スキル①】『聞く』より『聴く、傾聴する』
聞く:特に意識せずに音や言葉が自然に耳に入ってくる状態
聴く:心を落ち着け注意して耳に入れる
傾聴:耳を傾けて熱心に話を聞くこと
相手と会話をする時は、『聴く』『傾聴』しますが、このためには、初対面の相手でも、よく知っている相手でも、先入観を捨て、真っさらな気持ちでコミュニケーションを取る必要があります。
自分の立場や権威にこだわらず、それらを捨てて聴く姿勢を整えましょう。
【スキル②】聴くことに徹する
あなたは相手の話をちゃんと聴いているでしょうか。
「当たり前だ!相手の話を聴きながら、どうアドバイスしようか真剣に考えている!」と怒りの声が聞こえてきそうですが、私もコーチング講座に参加している時に、講師から同じ質問をされて、「何を言ってるんだ。当たり前じゃん」と思ったものです。
しかし、ここまでの話を今一度思い出してみましょう。
答えは誰が持っているのでしょうか?
そうです。答えを持っているのは、相手なのです。
相手の話を聴きながら、アドバイスすることを考えていることは、会話のテーマ以外のことを考えることと同じで、主役が相手からあなたにすり替わっています。つまり、それらを考えている時は、相手の話に集中できていないのと同じことです。
この考え方を取り入れるのに、私は非常に苦労しました。
コーチング講座の中で、「今この瞬間から創る」という教えがありました。これは、固定概念や先入観を全て捨て去り、相手の言葉に集中する。そして、その瞬間に場に現れた言葉を、大切にして関わっていくということです。
【スキル③】沈黙を聴く
もしあなたが営業ならば、是非ここはご一読ください。
相手が黙ってしまった時、あなたはどうしますか?
自分から何か話さなきゃと焦ったり、何か失礼なこと言ったかなと不安になったりするのではないでしょうか。私は正にそう思うタイプで、沈黙が嫌いでした。
しかし、沈黙の時は、相手をせかさず待つ事が重要です。沈黙を待つ事も、相手を受け入れることなのです。
しばらく待っても沈黙が続くようであれば、今までの話を要約したり、質問をするなどしましょう。
それまでは、沈黙を聴く、沈黙を楽しむようにしましょう。
まとめ
さて今回は、『聴く力』にフォーカスして、会話を弾ませるためにコーチング技術を活用した解決策をお届けしましたが、いかがだったでしょうか。
忙しい現代では、なかなか相手の話に耳を傾ける時間が無かったり、LINEやチャットの普及で、直接コミュニケーションを取る機会が減っています。笑える話ですが、隣の席にいるのに、インターネットを介して会話を行う日常が多くなってきていますよね。
それでも、テキストを介したコミュニケーションだったとしても、私たち人間は、人と人の関わりで成り立っており、『聴く力』は十分に活用できると思います。
今後、別記事で、会話を更に弾ませるための『質問力』と『相手を認める承認力』についてもご紹介していきます。これから一緒に、コミュニケーションを更に良くしていけたら嬉しいです。
それでは今回はここまでとします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。