今回の記事は、「営業マンがマーケターになったらどんな強みを出せるのか」についてお話しします。
わたしの経歴上、営業マンからのキャリアチェンジの相談を良くもらいます。
その中でも割と多いのが、マーケティングをやってみたいという相談があります。
今回は、「マーケターになりたいけど、営業経験しかないから無理かなぁ」というお悩みについてお話していきます。
それではいきましょう。
営業マンはマーケターになっても生き残れる理由
結論からお話します。
営業一筋でやってきた方でも、マーケターで生き残ることは可能です。
むしろ、営業の経験を生かすことで、マーケターの中から抜きん出ることもできます。
なぜでしょうか。
それは、次のスキルを、マーケターで活かせるからです。
2、コミュニケーション(相手を動かす力)
3、提案書にまとめる(相手に伝える力)
これらの力は、営業マンのベースの力です。
「いやいや、それはわかるけど、別にトップセールスとかじゃなかったし、そのスキルに自信ないわ!」
そう思われる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。
あなたが営業マンのときにやってきた当たり前のことが、マーケティング業界に元々いる人にとっては、難しいことだったりします。
活かせるスキルについて、一つずつお話していきます。
1、ハンドリング(相手を巻き込む力)
どのような仕事でも、あなた1人でやれる仕事の範囲は限られると思います。
ハイパフォーマンスを出すには、チームでの仕事が必要です。
マーケター業務も当然そうで、むしろチームで仕事をすることが基本です。
マーケティングの仕事は専門性が高いので、リサーチ担当、SNS担当、デザイン担当など、各領域のプロフェッショナルが集まり、チームを組みます。
そのチームで、クライアントが達成したいことを叶えるために、プロジェクトを進めていきます。
そうなったとき、チームはまとめ役が必ず必要になります。
スポーツでは監督、音楽では指揮者のような役割です。マーケティングでも同じです。
その役割を担うときに、営業マンだったあなたの経験が活きます。
営業をやっていると、契約を取る前・取った後に、様々なの人と調整をすると思います。
商品開発部門や情報システム部門、マーケティング部門や広報部門、カスタマーセンター部門やメンテナンス部門など。
営業マンであるあなたは、クライアントのために、あっちにもこっちにも気を遣って、契約にこぎつけた経験があるのではないでしょうか。
マーケターになって気を遣えと言ってるわけではなく、多くの関係者を巻き込み、あなたがやりたい方向へチームを導いていくには、営業マンの経験が活かせるのです。
2、コミュニケーション(相手を動かす力)
コミュニケーション力と言ってしまうと、かなり抽象度の高い言葉になってしまいますので、ここでは「相手を動かす力」とします。
営業マンの仕事は、「クライアントの感情を知り、それを満たしてあげる仕事」です。
どういう事かというと、たとえば、あなたがスーツを買ったとします。
そのときあなたは、スーツが欲しくて、スーツを買ったのでしょうか。
じつは我々人間は、モノを買うことによって得られる「感情」にお金を出しています。
それは、スーツを着ることで、
「周りから良く思われたい」
「自分に自信を持ちたい」
「こいつダサいなって思われたくない」
という気持ちが欲しかったのです。
スーツを選ぶときに、「俺には似合わないからこっちのデザインにしよう」と思ってしまう時などあると思います。
それも結局は、「アイツがあんなの着てるよ、やばっ!」なんて思われたくないから、派手すぎない無難なスーツを買ったりします。
そして、「やばい奴」と思われないように努めるのです。
こうやって、私たちはスーツを通してその先の「感情メリット」が欲しくてお金を払っています。
営業マンは、そのことを無意識に理解して、クライアントとコミュニケーションを行い、相手の感情を動かしているのです。
実はこの「感情を動かす」というのは、マーケティングにとっても重要です。
マーケティングは、広告やイベント企画によってターゲットの感情を動かします。
営業マンは、クライアントとの商談や電話などの経験から、相手の感情を刺激して、相手を動かす力が備わっているのです。
3、提案書にまとめる(相手に伝える力)
営業マンがマーケターとして生き残るために、もっとも強みになる力が「提案書にまとめる、相手に伝える力」です。
先日、あるデジタルマーケティング会社の社長さんと食事をしました。
実は彼も元々営業マンで、30代になってから、マーケターにキャリアチェンジをした方で、2〜3年前に起業しました。
そんな彼は、大手広告代理店の上から殆どの会社さんから、引っ張りだこなのです。
なぜ彼の需要がそんなに高いのか?彼に質問をしてみました。
その答えが、「提案書にまとめる、相手に伝える力」だったのです。
どういう事かお話しますね。
マーケティングをして欲しい会社(以下、広告主)の方は、基本的にはマーケティングについて、そこまで詳しくありません。
それは仕事の領域が違うので当然ですよね。
なので、広告主の会社さんから依頼される要望は、かなりボヤっとしている事がほとんどです。
「新しい商品作りたいんだけど、何かヒントない?」
→え?ターゲットは?
「この商品の売上が悪いんだけど、何とかしてくれない?」
→ん?悪いって何と比較して?予算は?
「認知度あげたいんだよね。」
→商品の?会社の?何で認知度あげたいの?
まぁ、これはちょっと大袈裟かもですが、イメージとしては割とこんな感じです。
人間って、自分が何に困ってるのか、何をやりたいのかなんて、なかなか明確に話せるものではないです。
だから、人に、この場合は営業マンやマーケターに相談をします。
でも、マーケターは、この曖昧な状態を非常に嫌います。目的や予算が決まらないと、マーケティング施策が考えられないので、当然ですよね。
でも、広告主は、自分でもよく分かっていないので、説明できないんです。
そんなときに、前章でご紹介した、「ハンドリング力」と「コミュニケーション力」という、営業マンが持っている力が武器になるのです。
広告主の目的や背景など、最終的に達成したいことを明確にしていってあげます。
そして最後に、広告主が達成したいことを、どうやって実現していくかを、提案書という形にで見える化してあげられるのです。
ここからが元営業マンの本領発揮
しかし、提案書を作ったからといって、それで終わりになるケースは、ほとんどありません。
営業マンのあなたなら分かると思います。
提案書という見えるものがあると、広告主から、やっぱりこうしたい、ああしたいという要望があがってきます。
すると営業マンは、提案書を修正して、お客様が達成したいことを、見える形して明確にしていってあげるのです。
実は、営業マンのこの普通の流れが、どうもマーケターは嫌う部分があるようです。
一度整理しますと、マーケターは、
・曖昧な要望には聞き耳を持たない
・提案書を作りたがらない
・提案書を何度も修正したくない
こんな感じです。
広告主にとっては、自分の困りごとをしっかり整理してくれて、見える化してくれた上で、マーケティング施策を提案された方が納得性が高いですよね。
ここが、営業マンがマーケターになったときに活かせる最大の武器なのです。
いますぐ何をすれば良いか?
もしあなたが営業マン→マーケターになることに不安を感じているならば、ぜひチャレンジしてください。
案件の全体ハンドリングができるマーケターは市場に少ない上に、ニーズが高いので、引く手あまたです。
もちろんマーケティングの勉強は不可欠ですが、あなたの営業力を活かせる場面が多くあります。
これは、元営業マンのわたしが、マーケティング業界にキャリアチェンジしたことで実体験しています。
まとめ
今回の記事は、「営業マンがマーケターになったらどんな強みを出せるのか」についてお話ししてきました。
2、コミュニケーション(相手を動かす力)
3、提案書にまとめる(相手に伝える力)
これは私だけかもしれませんが、マーケティングの世界って、スタイリッシュで華々しいイメージありませんか?
わたしがマーケターを目指した当初、そんなイメージを持っていました。
でも、実際にマーケティングの世界に入ってみて感じているのは、思ったより泥臭い仕事の仕方だなということです。
目標数値のシュミレーションを何度も何度もやりますし、広告のデザイン案を急遽変更して、徹夜することもあります。
大手広告代理店の方は、クライアントの社長さんにめちゃくちゃ気を遣って、接待ばっかりやってます。
そんな状況でも、営業マンのいざとなった時のバイタリティをフルに発揮して、案件を乗り切ることもできます。
あなたが持っている営業力に自信を持って、チャレンジしていきましょう。
それでは今回はここまでとさせていただきます。
今回の記事が、小さなことでも、何かあなたの人生のお役に立てましたら幸せです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。