私は営業ロープレが嫌いでした。嫌いというか、苦手でした。新人営業の時は、毎朝先輩たちと営業ロープレを行い、ご指導ご鞭撻をいただいた記憶があります。
今回は、「営業ロープレをやるべき理由」についてお話をしていきます。今回の記事を最後まで読んでいただくことで、効果的な営業ロープレができるようになりますので、ぜひ最後まで読んでいただき、明日からの営業活動にお役立てください。
それでは内容にはいっていきます。
営業ロープレってなに?
営業ロープレとは、営業ロールプレイングの略称で、「営業の練習」です。
営業ロープレをご存知の方は、「営業ロープレ=商談練習」のイメージが強い方が多いようですが、営業における練習は色々とあります。たとえば、
提案前準備における、「商談ストーリ構築」「仮説構築」など
新規開拓時における、「電話営業」「飛び込み営業」など
提案時における、「プレゼンテーション」「クロージング」など
契約時における、「商流整理」「契約リスク」など
営業ロープレと言いましても、これだけのパターンがあります。
それだけ営業はやることがたくさんあるということなのですが、特に新人営業の頃は、営業ロープレは実施した方が良いですが、私が知っている限りでは、トップセールマンの方でも、後輩への指導と、自身の営業手法のチェックのために、営業ロープレをやられる方は多いです。
営業ロープレは、確かに先輩や後輩からダメ出しをされる場なので、楽しいものではないですし、なんだか同僚をお客さんと見立てて、営業として立ち居振る舞うって、ちょっと恥ずかしいですよね。でも、先程もお伝えしたように、営業ロープレは「営業の練習」です。
スポーツでも試験でも、練習や勉強をしないで本番に望んでも、良い結果は得られないですよね。私は、お客さんとゴルフをたまにやるのですが、普段練習を全くしないでラウンドするので、ゴルフを初めて10年以上経つのに、未だに100を切ったことがありません。
営業でも、営業ロープレをしないで営業活動をするということは、ぶっつけ本番、一発勝負を繰り返しているようなものです。なので、営業ロープレを真面目に取り組めば、営業成績が上がることは間違いありませんので、ぜひ取り組んでみてください。
営業ロープレをやるべき理由
営業活動に早く慣れる
営業活動の難しいところが、目の前にお客さんが居ないと、営業活動ができないところです。お客さんを捕まえないと、ヒアリング活動も提案活動も、プレゼンテーションもできません。お客さんを捕まえるまで待っていたら、もしかしたら、いつまで経っても営業活動ができないかもしれません。
そんな時に、役に立つのが営業ロープレというわけです。
先輩社員にお客さん役をやってもらえると、過去に先輩社員が経験したことのあるお客さん像を実践してくれるので、よりリアルに近い営業活動の経験ができます。その営業ロープレを繰り返すことで、営業に早く慣れることができます。
製品ベネフィットを蓄積できる
営業にとって、取り扱っている商品・サービスの利点を理解することは必須です。
営業ロープレで色々なシチュエーションのお客さんを練習することで、それぞれのお客さんの状況にあった利点を、どんどん蓄積できるので、本物のお客さんが目の前に現れた時に、そのお客さんに合った利点をすぐにご提案することができます。
目の前のお客さんに提案するポイントを即座に思いつくことができるのは、営業成績を上げていくうえで、非常に重要なことです。
お客さんが怖くなくなる
私が営業ロープレをやっていて一番メリットとして大きかったのは、お客さんが怖くなくなったことです。
営業ロープレをコツコツやっていると、色々なお客さんに営業したと同じことなので、どんなパターンのお客さんが来ても、「あっ、このお客さんのパターンは、昨日A先輩と練習したパターンだ。だとしたら、こういう事を課題として思っているだろうから、こんな質問が飛んでくるだろうな」など、ある程度、お客さんからの質問が想定できるようになってきます。
営業マンで、お客さんからの質問が想像できなくて怖いといった声は良く聞きますので、もしこういった恐怖っていたらぜひ営業ロープレに取り組んでみてください。
営業ロープレの失敗パターン
難し過ぎるレアなお客さんを想定してしまう
確かに、色々なシチュエーションのお客さんを想定して営業ロープレを行うことは重要ですが、営業ロープレ相手が普通に営業ロープレをこなしてくると、ちょっと難しいお客さんを演じてやろうとか思ってしまって、滅多にあたらないパターンのお客さんを演じる人がいます。
戸惑った相手の姿を見て、してやったりの顔をする人がいるのですが、これはあまり効果的な営業ロープレとは言えません。あくまでも、リアルに近いお客さんを想定して営業ロープレをするようにしましょう。
相手の粗探しばかりしてしまう
もう一つは、相手の粗ばかり探してしまって、戦意を喪失させてしまうパターンです。
スポーツの練習でも、あああしろこうしろばかり言われると、やる気が無くなってきますよね。これは営業ロープレでも一緒です。良い点も悪い点も伝えていき、あくまで、営業実績があがるためのフィードバックをしていくように心掛けましょう。
営業ロープレのやり方
ここからは、営業ロープレをより効果的に行うのに有効な手段をお話していきます。
録音する
あなたは、自分が営業している時の様子を録音したことがあるでしょうか。もしやったことが無いならば、初めてやった時は驚愕すると思いますよ。
「え、自分てこんな声なの?」「自分って、こんな話し方なの?きも。」「あれ、こんなこと言った覚えないんだけど。」など、全然自分のイメージと違うことがわかると思います。ぜひこれを営業ロープレの時から取り入れてみてください。練習段階から意識できれば、本番でもうまくできると思います。
実際の次の商談をイメージしてリアルなロープレにする
これは今までお話をしてきましたが、よりリアルなお客さんを想定して営業ロープレを実践してください。おすすめなのは、実際にあなたが持っているお客さんで、これから提案をしていくお客さんをベースに営業ロープレをやっていくと、真剣に取り組めますし、気付きを直ぐに提案に反映できますのでおすすめです。
売れてる営業マンに依頼する
この方法は、もしあなたが取り入れることが出来る環境ならば、一番オススメしたい方法です。売れてる営業マンの立ち居振る舞いや考え方を盗めるチャンスですし、こういった方は、お客さん役も抜群にうまいです。もし近くに売れてる営業マンがいるならば、頑張って交渉して営業ロープレに付き合ってもらってください。
ステップ毎に分解ロープレする
冒頭でお話をしたように、営業活動は細かく分類することができます。そのため、営業ロープレをやる時も、細かく分類した営業ロープレを実施することをオススメします。ぜひ営業ステップ毎に取り組んでみてください。
次の宿題を出して、本当に準備させる
上記でステップ毎に取り組む場合、たとえば今回は紹介商談の営業ロープレを行った場合、次回の営業ロープレでは、実際に提案を持ってきてもらってください。その方がより真剣な営業練習になります。私は実際にこの方法をやっていたのですが、どんなに忙しくてもこの方法をやらされていました。
売れる営業になってくれば、複数のお客さんへ同時提案いていく場面は多々あると思います。並行して提案を進める練習にもなりますので、ぜひお試しください。
営業ロープレの成果測定
私が営業ロープレをやっている時、月に一度、上司による試験がありました。営業ロープレをやっている効果を測るための試験です。私はこの日が本当に憂鬱でした。試験当日にならないとお題はわからないので、準備をすることはできず、日々の営業ロープレを真剣にやっていたかどうかが、もろに反映されるのです。
試験の一例をご紹介しますと、こんな感じです。
・飛込み電話を10件して、5件担当者の名前を聞きなさい
・このお客さんの課題を3つ上げて、それぞれの解決策を即答しなさい
といった感じのお題でした。
私が一番難しかったお題は、「当時自分が所属していた会社の営業成績トップ10を上から順番に聞き出しなさい」というお題でした。当時は、いまほど個人情報にうるさくなかったとはいえ、個人名を聞き出すのは本当に苦労したのを覚えています。
まとめ
今回は、「営業ロープレをやるべき理由」についてお話をしてきました。
最近、営業ロープレをきちんと取り組んでいる企業の話を聞きませんが、営業ロープレは間違いなく取り組まれた方が良いと思います。
現在、営業手法の変革期と言われていて、営業が直接お客さん先に訪問しなくても、パソコンがあれば、いつでもどこでも営業ができる時代になってきています。その分、お客さんとの非言語(ことばや文字を直接用いずに行なわれる情報伝達。表情や視線,身ぶり,動作,声の質・抑揚,相手との距離,姿勢、その場の空気感)なコミュニケーションが取りづらくなってきていますので、営業がさらに難しくなっていくと思います。
そういった時代だからこそ、ぜひ営業ロープレには取り組まれてみてください。
それでは今回はここまでとさせていただきます。
今回の記事が、小さなことでも、何かあなたの人生のお役に立てましたら幸せです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。