トーク力を鍛える|だから私はスベらない(書評)

 

今回の記事では、著書「だから私はスベらない~現役テレビプロデューサーが教える「速攻」トーク術~」をご紹介します。

 

 

目次

トーク力を鍛える|だから私はスベらない

この本は、2007年に発行された少し古い本です。

当時20代だった私は、飲み会で話をふられた時のリアクションや、営業現場でのお客さんとのコミュニケーションに悩んでいました。

飲み会でもお客さんとでも、コミュニケーションを取る時は、常に面白いリアクションやトークをしなくてはと、プレッシャーを感じていた時に買いました。

著者の紹介

著者の上原英範(うえはらひでのり)さんは、TBS「王様のブランチ」「ワンダフル」など、各局の情報バラエティ番組のディレクターとして活躍されていた方です。

制作会社のプロデューサーとして、テレビ番組、DVD、書籍、音楽、ブログなど、様々な分野のコンテンツプロデュースを行っています。

最近はテレビより、SNSやYouTubeを見る時代ですが、それでもタレントさんを見る日は多いと思います。

テレビ業界には、タレント、芸人、放送作家など、「トークの達人」がたくさんいて、売れているタレントさんは、やはトーク力がかなり高いそうです。

筆者もテレビ業界に入ってから28歳までかなりの口下手で、

「トークで人を惹きつけることができたら楽しいだろうな」

「みんなにも一目置かれて仕事にも有利だろうな」

と悩んでいました。

本書では、そんな筆者が、タレントに段取りを説明したり、取材交渉をしたり、スタッフを仕切ったり、トークの達人世界で培った、トーク力を具体的に紹介してくれています。

どんな結論を説明してくれる本なのか?

トーク力は誰でも身に着けることができる。なぜならば、トークには型があるからだ!

ということを教えてくれる本です。

ニュートンがリンゴが落ちるのを見て、万有引力の法則を思いついたように、トークに関する物理的な知識や概念を知れば、ドラクエのレベルアップのように、ある日突然、軽快な効果音と共に、トーク力もアップするものである。

この本を読んで得られること

この本では、後述する目次を見てわかるように、私たちの生活に活かせるトークを、具体的なトーク例を交えて説明をしてくれています。

そのため、明日からそのまま使えるトークも手に入ります。

また、目次第3章に書かれている明石家さんまや久本雅美のようなタレントは、本書が出版されてから10年以上経っている2019年の今でも、テレビ界の第一線で活躍しています。

テレビ界で長年生き残っているタレントは、何が優れていて、売れ続けているのかも書かれていますので、参考になります。

どんな悩みを持つ方におすすめか?

おすすめな人
・飲み会などのふりに弱い人
・お客さんとの会話が苦手な人
・トークで人を惹き付けたいと思っている人
・何か気の利いたリアクションをしないとと悩んでいる人
・変なことをいわないようにしないとと悩んでいる人

こんな事に悩んでいる人におすすめです。

本の目次

第1章 「欧米か!」はなぜウケた? なぜか印象にのこる話術
  話のうまい人はいったい何が違うのか
  まずは目の前のその人を「恋人」だと自己暗示しろ!
  好かれようとする姿勢はかならず嫌われる
  攻めのトークでウケる技術を身につける
  まどろっこしい話は聞いてて、編集したくなる
  そのリアクション、絶対に違うだろ
  仕事ができる人は「ひとりごと」の達人
  知っている数字ネタをうまく会話に入れる
第2章 会議で「空気」が読めるか? 打ち合わせで失敗しない極意
  つまらない会議を面白くする”脳内”トレーニング
  会議が長い番組はヒットしないという法則
  あなたの意見はなぜ「通らない」のか
  非常識の中にびっくりするほど面白い「何か」がある
  相手のプライドを傷つけずに「ダメ出し」する方法
  出されたパスは絶対にスルーしない
  使ったほうがいい言葉、使わないほうがいい言葉
  2割り増しで賢くみえるメモの取り方
  こんなやつらが会議をダメにするA級戦犯
第3章 売れるタレントには理由がある プロフェッショナルトークの極意
  綾小路きみまろのトーク術
  明石家さんまのトーク術
  関根勤のトーク術
  久本雅美のトーク術
  くりぃむしちゅー上田晋也のトーク術
第4章 遅刻したら、なんて言う?
  相手の名前を思い出せないときの一言
  ダメもとで言ってみる交渉の一言
  遅刻しそうになったときの一度限りの一言
  ウソはつかないけどホントのことも言わないトーク術
  言いたくないことを言わないで切り抜ける方法
  相手が怒っている!こんなピンチのトーク術
  断るときはノリノリで!断りの極意
第5章 いきおいで乗り切るときもある! 人を惹き付ける上級トーク術
  笑いの上級テクニック「いじり」実践法
  あなたはツッコミキャラ?それともボケキャラ?
  スベらない法則「テンドン」と「マンネリ」を使え!
  オチだけ言ってもウケません「ふり」が大切なんです
  相手を疲れさせない「座持ち」のトーク術
  前に出るだけが能じゃない「引き」の極意
  リアクション上手なら知っている3つのパターン
第6章 「うんちく王」は、物知りか? トーク力upの実践術
  浅く広くでも”ちょっとだけ深い”知識を
  ワード変換ドリル①単語編
  ワード変換ドリル②表現編
  番組引退をなぜ「卒業」と表現するか
  テレビを見ながらひとりツッコミ練習
  最近ちょっと気になる言葉の間違い
コラム①霊能者に学ぶ「都合の悪い話のごかまし方」
コラム②占い師に学ぶ「思わず相手がうなずく話術」
コラム③クレイマーに学ぶ「自分の非を認めずして謝る方法」
コラム④詐欺師に学ぶ「人をだます甘い罠の見極め方」

本著のポイント

好かれようとする姿勢はかならず嫌われる

著者が、情報番組のレポーターや番組アシスタントのオーディションに審査員をやっている時の話です。

番組が求めるのは、「かわいくて話がきちんとできる女性」条件はこれだけです。

実際は、この両方は兼ね備えている人は非常に少ないのが現状。

オーディション審査では三大定番質問があるそうです。

三大定番質問
①「将来、何を目指していますか?」
②「いま、あなたがハマっていることは?」
③「これだけは人に負けないというものは?」

オーディション参加者はこの質問がされることはわかっているので、事前に準備をしてきていて、ハキハキと答えるそうですが、だいたい答えが同じになるそうです。

著者はこういった時、ちょと変わった質問をして、合否を早めにします。

たとえばこんな会話です。

「今日の衣装は、どんな点に気を使いました?」

「はい!清潔感と、明るさと、元気さを出そうと思って、この服にしました」

この回答はどうでも良いようで、このあとの質問が肝心だそうです。

「なるほど〜、逆にね!」

「はい、そうなんです〜」

これだけで、この参加者が人の話をろくに聞いていないこと、そして、バラエティセンスがないことがわかってしまうそうです。

「なるほど〜、逆にね!」に対する正しいリアクションは、

「え?何の逆ですか?」ですよね。

別の例も紹介されています。

「あなたが好きな信号の色は何?」

「え〜っと、信号の色ですか…。え〜っと、青!青です」

「どうして青なんですか?」

「え〜っと、『前に進め』って感じがして…大好き、です…」

オーディション参加者の8割がこのように答えるそうです。

正しい回答は、

「すいません。それを聞いて何になるんですか?」これで構わないそうです。

こういった質問のやりとりで、面接官に好かれようとする姿勢が一瞬で見抜かれて、逆に嫌われます。

著者は、人の質問の意図や、会話の流れをきちんと把握できているかをチェックしているだけなんだそうです。

このように、人は自分を少しでもよく見せようとして、会話の流れにそった当たり前のリアクションが出来ず、無理やり気の利いた答えを出そうとしてしまいます。

そうすると、化けの皮が剥がれて悪い印象を与えてしまいます。

トークのセンスとは?

面白いトークは「攻め」であり、「きわどい話ほどインパクトが強い」

そして、きわどい話とは、「笑うか怒るか、ギリギリの話」ということです。

このギリギリのラインを把握する能力が、トークのセンスであると筆者は言っています。

あるトーク番組で、ゲストの女優が自分の父親の話をしていました。

スタジオに居た誰もが、「変な親父だな」と思っていたのですが、ゲストの女優にそこまで突っ込む訳にもいきませんでした。

すると司会者は、このように返しました。

「いや〜○○さんは残念なご家族をお持ちですね〜」

筆者は一瞬ヒヤッとしたそうですが、すぐにスタジオには笑いが起こりました。

多くの視聴者のかゆいところをかきつつ、ゲストも笑わせる、これがプロの「ギリギリのきわどい話術」なのです。

売れるタレントには理由がある

綾小路きみまろ

「ありがとうございます、本日はようこそいらっしゃいました。その顔で」

毒舌漫談で一躍ブレイクした方です。

彼の芸風は、中高年のおばさまをテンポ感のあるトークで徹底的にコケにしていくスタイルです。

彼は、きつい言葉の前後に、「ありがとうございます」「おめでとうございます」などの、誰もが不快感を抱きようがない言葉を混ぜる事によって、毒気を消しています。

このギャップでお客様は笑うのです。

明石家さんま

さんまのトークには、とてつもないテクニックの数々が詰め込まれています。

の凄いところは、たくさんのタレントさんを仕切る番組も、たくさんの素人をいじる番組も、一対一の番組も、子供相手でも、全てにおいて面白くできるところにあるようです。

しかも、自らボケにも、ツッコミにもなる、回しもできるし、乗りツッコミもできる。

出来ないことが見つからない、ミスターオールマイティーなのです。

関根勤

以前は、ラビット関根というピン芸人としてマニアックなモノマネや、きわどい芸で活躍をしていました。

司会も一時期やっていたようですが、いまは番組に一人いてほしい、重要なパネラーとしてその地位を不動のものにしています。

なぜ彼がバラエティ番組で重宝されるのか、理由の一つに「人の悪口をまず言わない」ことがあります。

実際のテレビ番組を見ていると、満面の笑みを浮かべながら、「そうそう!」「面白いなぁ」「○○がいいねぇ」など、ポジティブな言葉が多いはずです。

つまらない若手芸人のギャグを見ても、大きなリアクションで笑って、「いいね!その指の動きが最高!」とギャグの本質とは関係ない部分を拾って笑いにしています。

小倉優子

本書が発行された頃は、コリン星から脱却するかしないかぐらいの時期でした。

彼女のことを天然ボケと思っていた方も多いと思いますが、テレビ界では、ただの天然ではあそこまで徹底した「キャラ作り」は出来ないと言われていたそうです。

そして、キャラ設定にもまして、彼女のトークは非常に洗練されていました。

「マネージャーさんが、そろそろコリン星、爆破しちゃおうか?って言うんですぅ」とトークした場面が筆者は印象深く残っているそうです。

「マネージャーさんがコリン星のキャラ、そろそろやめようかって言うんです」ではないところが、単なる天然少女ではないのです。

彼女の徹底したキャラ作りと、その上に立った軸のぶれないトーク。彼女がキレ者であることは間違いないそうです。

久本雅美

クリーンなイメージで数々の番組の視界をこなして、バラエティの世界になくてはならない存在。

久本流好感度アップトークの極意
①自分の恥ずかしい部分や本音をさらけ出す → 正直である、気取っていない
②他人を攻撃しない、フォローがうまい → 優しい、思いやりがある
③気配り上手でサービス精神旺盛 → 親近感、好感度につながる

実際に彼女は、普段からやたら気配り上手で低姿勢、サービス精神が旺盛のようです。

上田晋也

2019年の現在でも、数々の司会を勤めていますね。

彼がテレビで活躍している要素
①たとえツッコミ
②低く安定した声と、ゆっくり落ち着きのある口調
③ズバッと言い切る思い切りのよさ、歯切れのよさ

たとえツッコミとはどういうものかと言うと、
普通なら「どうでもいいだろ!」と突っ込むべきところを

「マナカナのどっちがどっち?くらいどうでもいいだろ」と、

具体的なたとえになぞらえてつっこむというテクニックのことです。

「この紙、薄くてペラッペラだな」 → 「羽賀研二の誠意くらい薄っぺらい」

「それは難しいわ」 → 「それ難しいなぁ。ハリセンボンのどっちと付き合うか悩むくらい難しいよ」

ここに紹介されている以外にも売れ続けているタレントはたくさんいます。

彼らがなぜ売れているのかをこのような観点で分析して、自身のトークに取り入れていくとレベルアップに繋がるはずです。

いますぐ何をすれば良いのか?

この本の中で紹介されている中で、一つあなたが使えそうなトークを選んでみてはいかがでしょうか。

10年前の私は、この3つを取り入れようとしました。
1、知っている数字ネタをうまく会話に入れる
2、くりぃむしちゅー上田晋也のトーク術
3、スベらない法則「テンドン」と「マンネリ」を使え!

結果として、「1と3」はできるようになりましたが、「2」のたとえツッコミはちょっとハードルが高くてマスター出来ませんでした。

まぁ、当たり前ですよね。

上田さんが努力の末に身につけたものを、そんな簡単にできるようになるわけはありません。

しかし、芸人さんも、トーク術を一生懸命考えて、練習して身につけていることがわかり、誰でもトークがうまくなることができるとわかったのは、大きな収穫でした。

ぜひあなたも、自分に出来そうなトーク術を本書から見つけて、試してみてはいかがでしょうか。

【まとめ】本書を読んでから10年後の私

この本を買った当時、私はベンチャーに勤めていて、勢いのある同世代の若者たちに囲まれて働いていました。

体育会系のメンバーも多く、毎晩のように朝まで飲みに行き、一気飲みがあちらこちらで発生している感じです。

酔いも回ってくれば、一人一人立たされて、スピーチをさせられます。

決意表明だったり、反省の弁だったり。

私はそれが苦手でした。

盛り上がった空気を自分の順番で壊したくなかったからです。

この気持ちは、お客さんと飲みに言っている時も同じです。

同僚やお客さんにふられたら、面白く返したい!と考えている時に、本を買いました。

10年経っていまどうなったか。

タレントや芸人ばりにトークを使いこなす達人になっているかと言うと、やはりそれは、彼らと生きる環境が違うので、トークの達人にはなっていませんし、未だにふられるのは苦手です。

でも、10年前の自分のように、そのことをプレッシャーに感じ、自分の身の丈以上のことをしなくなりました。

無理に面白くしようとしなくなりました。

ありのままの自分でいることが、一番自然で、その場の空気を壊すことがないのです。

それで良いのだと気づくことが出来ました。

それでは今回はここまでとさせていただきます。

補足

本書は古い本になってしまったので、amazonで新品は売っていないようです。

もし中古でもよければ、一円から売っていますので、おすすめです。

それでは今回はここまでとさせていただきます。

今回の記事が、小さなことでも、何かあなたの人生のお役に立てましたら幸せです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



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