・テレアポや飛び込み営業がない営業職の種類もあるんだろうか?
・自分に合った営業職の種類を見つけたい
今回の記事は、営業職といっても色々な種類があって違いがよくワカラナイというお悩みを解決していきます。
記事を最後まで読んでもらえれば、営業職の種類を全体的に見ることができ、あなたにあった営業職を見つけることができます。
それでは内容に入っていきましょう。
営業職の種類|顧客別・製品別・手法別・給与別でメリット・デメリット比較
営業職の種類を理解するときに大事なことはどのカテゴリーで営業職の種類を分解するかです。
この記事では「顧客別・製品別・手法別・給与形態別」という営業職の基本項目を使って比較説明していますので、今後営業職を理解するときに分解項目をつなぎ合わせていくことで理解しやすくなると思います。
顧客別(個人営業と法人営業)
個人営業(BtoC)
製品(製品・サービス)を個人へ販売する営業です。
個人の生活が豊かになるような製品を紹介します。
・お客様との信頼関係を築く力
・拒否に耐えられる力
・契約までの時間が短い
・営業できる客数が多い
・24時間365日営業できる
デメリット
・横柄な態度をとる人が多い
・業務終了後でも休日でも連絡が来る
・同じような商談が多い
はじめから厳しいことを言ってしまいますが、個人営業のお客様は横柄な態度をとる人が多いです。
これは、個人営業のお客様が営業を掛けられる時間帯が「オフの時間」だからです。
ちょっと想像してみてください。
・会社からやっと帰ってきて寝るまでの時間
・平日働いてやっと訪れた休日の時間
・家族や友達、恋人と過ごしている幸せな時間
個人営業はこんな時間に営業をしなければいけません。
自分の立場に置き換えたときに、お客様が横柄な態度を取ってしまう気持ちはわかりますよね。
それでもお客様の生活を幸せにできる製品があるので、そこを理解して話を聞いてもらうために試行錯誤します。
この人は何曜日の何時に電話をすればいつも出てくれる。
この人はこういう趣味があるからあの情報をメールで送ってみよう。
など一人一人の生活パターンや趣味嗜好にあわせた営業をしていきます。
個人営業は法人営業と違って、目の前にいるお客様がお金を出してくれることが殆どですので信頼関係を築ければ契約になりやすい部分がありますので、こういった営業をしていく必要があります。
また、わたしが個人営業をやっていた時に一番つらかったのが、24時間365日いつでもお客様から連絡が来るということでした。
もちろん休日に対応をしなければ良いのですが緊急の用事だったらどうしても対応しなくてはいけません。
こちらも24時間365日営業が出来るぶん仕方ないのですが、ここはデメリットと感じていました。
法人営業(BtoB)
製品(製品・サービス)を企業へ販売する営業です。
企業が売上を伸ばしたり、利益をあげるために必要な製品を紹介します。
・お客様の業務を理解する力
・ステークホルダー(関係者)をコントロールする力
・横柄な態度をとる人が少ない
・売上額が大きくなりやすい
・ニュースで話題になるような大きな仕事ができる
デメリット
・契約までのプロセスが長い
・多くの関係者をコントロールするのが大変
法人営業のお客様は個人営業に比べて話しやすい人が多いです。
お客様側も会社の名前を背負っていますので、営業に対してあまり横柄な態度は取れません。
会社の印象が悪くなってしまいますからね。
法人営業で販売する製品は会社経営を良くするための「ヒト、モノ、カネ、情報」に関わるものが多いです。
たとえば、人(社員、社員の家族etc.)、モノ(お客様の製品etc.)、金(給与、会計etc.)、情報(競合情報、顧客情報etc.)です。
法人営業は個人営業に比べて売上額が大きくなりやすく、数億~数十億円と大きくなることもあります。
しかし法人営業の場合、お客様の組織構造によって契約までの時間が長くなってしまう傾向があります。
個人営業の場合は目の前の人が良い!と言ってくれれば契約してくれることが多いですが、法人営業の場合は社内検討が入ることが多く、即決してくれることは少ないです。
【製品を紹介した担当者】→【担当者の上司】→【所属部署の部長】→【会社の社長】のような順を追って、やっと契約してくれるパターンが殆どです。
製品別(自社製品と他社製品)
自社製品
自社で作っている製品を販売する営業です。
トヨタ自動車、資生堂、ライオン、アシックス、アサヒビールなどメーカー企業と呼ばれている企業の営業です。
メーカー営業になった場合のお客様は、個人のお客様ではなく代理店や商社、販売店です。
たとえばアシックスの靴をABCマートのような販売店に営業するイメージです。
もしくは、ABCマートに営業をしてくれる代理店企業に営業します。
・競合製品に関する情報力
・代理店、商社、販売店に販売してもらうためのフォロー力
・製品の改善点を直接開発者に伝えられる
・好きなブランドについて最新情報が手に入る
デメリット
・人に販売してもらうことの難しさがある
・自社製品以外を売ることができない
メーカー営業は自社製品のことを誰よりも知っていないといけません。
代理店や商社、販売店からたくさんの質問がありますのできちんと答えられる必要があるのです。
メーカー営業の難しいところは、代理店・商社・販売店など自分以外の営業に販売してもらわなければならないところにあります。
つまり自分以外の営業に「売り方」や「売ってもらうためのモチベーション」に繋がるフォローが必要なのです。
人を動かすことの難しさがあります。
また、お客様の困りごとを解決するための製品は自社製品しかありません。
代理店や商社の立場であれば、お客様の状況にあわせて様々な製品を提案することができますが、営業職としてはもどかしい部分があります。
しかし、自分が好きなブランドを担当できたら非常に楽しいですよね。
他社製品
他社(メーカー)で作っている製品を代わりに販売する営業です。
メーカーと代理営業の契約を結び、製品を販売したら販売インセンティブをもらう方式です。
たとえば、メーカー販売価格100万円の製品を売ってインセンティブを20%もらうイメージです。
販売代理店企業や商社などが該当します。
・お客様との関係構築力
・新しい製品を勉強する力
・取り扱い製品種類が多いと提案の幅が広がる
・流行に応じた製品を販売できる
デメリット
・自社製品ではないので製品情報が手に入りにくい
・取り扱い製品が多くて知識吸収が大変
製品に興味を持ったお客様にはメーカーと同行して営業することも多く、日々お客様やメーカーとの関係構築が重要になります。
また、商社では取り扱い製品が非常に多いため製品知識を持つための勉強が欠かせません。
製品は日々増えていきますので勉強していくことが苦手という方は向いていないかもしれません。
代理販売では、時代の中で求められる製品を販売することが多いため最先端の技術に触れられる機会も多いので、そういった事にも興味がある方は向いていると思います。
製品別(有形製品と無形製品)
有形製品
形ある製品を販売する営業です。
”形ある製品”とは、車、冷蔵庫、パソコンなど見て、触ってができる製品ということです。
・製品デモンストレーションスキル
・目に見える製品なのでお客様に説明しやすい
・お客様に実際に試してもらえる
デメリット
・競合企業に情報が漏れやすい
・その製品が持つ性能以上の価値は伝えにくい
有形製品を販売する際の魅力は、お客様が五感を使って価値をイメージしやすい部分にあります。
視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚を使って製品の判断をしてもらえます。
一方で、競合企業も製品を試すことが出来る可能性があり、情報が漏れやすいリスクがあります。
たとえばトヨタの営業が日産のレンタカーを借りて試乗すれば、競合調査が簡単にできてしまいますよね。
また、有形製品は既に完成した製品が多いので、それ以上の改良ができないデメリットもあります。
出来上がった製品の魅力を最大限に伝えていくことが有形製品を扱う営業の役割です。
無形製品
形ない製品を販売する営業です。
保険、コンサルティング、ソフトウェア開発などが該当します。
・ソリューション(製品)企画力
・資料作成能力
・競合企業に情報が漏れにくい
・お客様の要望に合わせた製品が作れる
デメリット
・お客様が製品のイメージを持ちにくい
・お客様の本当に欲しいものが分かりづらい
無形製品を販売する際の魅力は、お客様の要望にあわせた製品が作りやすりい部分にあります。
ソフトウェア開発ならば、お客様が欲しいものにあわせて開発を行っていけば良いので基本的にはお客様のご要望通りの製品が出来上がります。
逆に、製品が目の前にあるとこれが良いあれが悪いとお客様も意見しやすいのですが、無形の場合はその意見をすることができないのでお客様も意見が言いにくい面があります。
そうなると、お客様の意見を聞きだす営業の役割が重要になってきます。また聞き出す能力と同レベルで、聞き出した意見を製品に落とし込んでいく製品企画力も重要です。
無形製品の方が販売は難しいと言われています。
手法別(新規開拓営業とルート営業とサポート営業)
新規開拓営業
常に新しいお客様に対して販売活動を行う営業です。
飛び込み営業やテレアポ営業などを行って新しいお客様を探します。
・相手の警戒心を解く力
・顧客発掘手法
・起業や新規事業で重要なスキルを身に着けられる
・新しいお客様に会うことで人脈を広げられる
デメリット
・割とハートが傷つく
・新しいお客様を発掘し続けないと売上がない
あなたの事もあなたの会社のことも知らないお客様に営業を行うので拒否されることが多いです。
拒否されることが当たり前になるまでに、営業が嫌になって辞めたいと思ってしまうことが多いのが新規開拓営業です。
しかし、会社を継続させていくには新規開拓営業が必ず必要です。
同じお客様から契約をもらって売上を維持している会社でも、お客様の担当者が変われば新規営業します。
新規開拓営業は厳しい役割ですが非常に重要な営業です。
ルート営業
決まったお客様に対して販売活動を行う営業です。
新規開拓営業が契約してきたお客様に対して、定期的に訪問を行い新製品の情報提供や新しい注文の確認を行います。
・お客様の経営状況の把握する力
・計画的に行動できる力
・新規開拓のような拒否されることがない
・決まったお客様に集中できる
デメリット
・合わないお客様でも付き合わなければいけない
・新規開拓営業よりも基本給が低い場合がある
ルート営業は「御用聞き営業」と呼ばれ、営業の中でも楽だという人もいます。
既に契約してくれているお客様なので毎月安定した契約が取れますし、新規開拓ができずに売上が上がらないなどといった悩みも少ないです。
しかし、ルート営業がしっかりとお客様をフォローしてくれることで顧客満足度の向上に繋がっています。
会社にとって重要な役割であることは間違いありません。
サポート営業
営業のサポートを行う役割です。
営業が行う事務処理やアポイント取得を代わりに行い、営業マンが契約を取るための商談に集中できるようにします。
・営業業務の理解
スケジュール管理、相談準備、契約必要書類の準備などを行い営業をサポートする仕事です。
②アポインター
営業の商談回数を増やすために、ひたすらテレアポを行いアポイントを獲得していく仕事です。
③カスタマーサポート
営業が契約したお客様が導入製品を使ってビジネスがうまくいくようにサポートしていく仕事です。
・直接お客様と会ったコミュニケーションが少ない
・会社や営業から感謝されやすい
デメリット
・営業マンではないので営業マンとしてのスキルはつきにくい
・雑務が多い
サポート営業は営業マンをサポートすることで営業マンが商談に集中し、より多くの契約を会社にもらたすことができる環境を整えるために必要な役割です。
誰かをサポートすることに充実感を感じる人に向いている仕事です。
給与別(固定制と固定+歩合制と完全歩合制)
営業には収入パターンが大きく分けて3つあります。
あなたが目指す収入に合わせて確認をしましょう。
②固定+歩合制
③完全歩合制(フルコミッション)
上記に書いたように、営業にはインセンティブと言ったりコミッションと呼ばれる収入があります。
細かいことを言うと、
・コミッションは契約した売上金額に応じて支給される報酬
なのですが、成果に応じてもらえる報酬があると思ってもらえば大丈夫です。
②固定+歩合制は固定でもらえる給料に加えて契約した場合に報酬がもらえる収入パターンです。
上記で言うとインセンティブの方がイメージが近くて、報酬額はあまり大きくありません。
一方で③完全歩合制は、固定給料はなく契約した場合にのみ収入を得られるパターンです。
ただし契約した場合の報酬額は大きく、月に数百万円稼ぐプロ営業マンのいます。営業で大きな報酬を得たい場合は完全歩合制は魅力ですね。
ただし、何かしらの事情で契約が取れなかった場合は、収入0円になりますので覚悟は必要です。
営業職を選ぶ理由
営業職の種類はわかったけど、そもそも営業職を選ぶだけの魅力は何でしょうか?
わたしが15年以上営業職をやってきて思う営業職の魅力は、
②人脈を作りやすい
③ビジネスの根幹のスキルを手に入れられる
だと考えています。
営業力を付ければ何歳になっても目の前に売る製品があればいつでも収入をあげることができます。
また、営業として色々なお客様に会うことで会社や売るものが変わっても話を聞いてくれる人脈作りもできます。
営業は将来性を考えても魅力的な部分が多いのです。
営業職はきつい仕事と思われている人も多いと思います。
たしかに営業職はきついです。
でもそれは、何の仕事でもきつい仕事はありますよね。
その仕事に対する向き不向きの問題です。
ただお客様に気を遣うのがイヤだとかお客様に拒否されるのがイヤだとか考えるのではなく、将来性を考えて営業職を選ぶべき職種なのかを考えることをおすすめします。
営業職で働くおすすめの会社
ここまで色々な営業職の種類をお話してきました。
営業職の種類についてはあなたが合いそうだなと感じる種類を選んでもらえば良いです。
しかし、どんな会社を選べば良いのかワカラナイという人のために、わたしがおすすめする会社や業界の選び方をご紹介します。
②営業の立場が強い会社
③伸びている業界
①製品が強い会社
あなたが営業職になった際にお客様に売っていく製品は強い製品が良いです。
強い製品とは競合と比べたときに差別化が出来ている製品のことです。
差別化されている部分は、「認知力、機能力、価格力」など何でも構いませんが、お客様が必要としていることに対してアピールすることができる部分を持っていることが重要です。
製品が強いとかなり売りやすくなりますので、営業として働く会社を選ぶ際は、その会社の競合会社の製品と比較しましょう。
②営業の立場が強い会社
会社によっては営業の立場が社内で弱い会社があります。
たとえばシステム開発会社ではシステムエンジニアの立場が強くて、営業は単なる事務処理担当として扱われていたります。
そうなると営業活動への予算も会社からもらえず、製品プロモーションができずに苦労します。
面接のときには、「営業部門と開発部門の連携は強いでしょうか?」など聞いて、営業の立場を確認してみると良いでしょう。
③伸びてる業界
会社だけでなく、業界を選ぶことも非常に重要です。
当然ですが、衰退している業界の商品は販売しにくいですよね。需要の高い製品を扱っている業界の方が販売しやすいです。
わたしがおすすめする業界はやはりIT業界です。
いまではどの業界にもIT技術が関わっていて、IT無くしてビジネス発展はあり得ません。
AutoTech(車✕IT)
EdTech(教育✕IT)
FinTech(金融✕IT)
FoodTech(食✕IT)
HealthcareTech(ヘルスケア✕IT)
HomeTech(住宅✕IT)
HRTech(人材✕IT)
MedTech(医療✕IT)
RealestateTech(不動産✕IT)
出典:絶賛革新中!今話題の「〇〇Tech」10選(ferret)
ITは難しいと感じる人も多いかもしれませんが、ITを知らないとこれからビジネスを行っていく上で困ると思います。
いつかは知らないといけないから、いまから知っておいた方が良いですよね。
いますぐ何をすれば良いか?
この記事で紹介している営業職の種類は、全体的にお話をしていますが詳しいお話は出来ていません。
もしあなたがこれから営業職にチャレンジをしたいと思ったら、営業経験者に相談することをおすすめします。
この記事に書かれていないもっと詳しい話を聞けるはずです。
その上で、あなたにあった営業職の種類が見つかったら行動してみましょう。
行動はシンプルです。
・いま勤めている会社に望んだ営業職があれば異動願いを出しましょう。
・いまの会社に望んだ営業職がない場合は転職しましょう。
行動してみて見えることもたくさんありますのでチャレンジしてみましょう。
ちなみに、35歳になると本当に求人やスカウトがガクッと減りますので、もしあなたが35歳の年齢に近づいているならそれまでに真剣に考えることをおすすめします。
まとめ
今回の記事は、営業職といっても色々な種類があって違いがよくワカラナイというお悩みを解決してきました。
ここまでの内容を整理します。
【顧客別】
①個人営業
製品(製品・サービス)を個人へ販売する営業です。
②法人営業
製品(製品・サービス)を企業へ販売する営業です。
【製品別】
①自社製品
自社で作っている製品を販売する営業です。
②他社製品
他社(メーカー)で作っている製品を代わりに販売する営業です。
【製品別】
①有形製品
形ある製品を販売する営業です。
②無形製品
形ない製品を販売する営業です。
【手法別】
①新規開拓営業
常に新しいお客様に対して販売活動を行う営業です。
・飛び込み
・テレアポ
・インバウンド(広告、チラシなど)
②ルート営業
決まったお客様に対して販売活動を行う営業です。
③サポート営業
営業のサポートを行う役割です。
・営業アシスタント
・アポインター
・カスタマーサポート
【給与別】
3つの給与パターン
・固定制
・固定+歩合制
・完全歩合制
営業職を選ぶ理由
営業職を選ぶ魅力
・一生収入に困らない
・人脈を作りやすい
・ビジネスの根幹のスキルを手に入れられる
おすすめ営業職
おすすめの会社の選び方
・製品が強い会社
・営業の立場が強い会社
・伸びている業界
おすすめする業界
・IT業界
いますぐ何をすれば良いか?
営業経験者に相談する
自分にあった営業職の種類が見つかった場合
・異動願いを出す
・転職する
35歳になると本当に求人やスカウトがガクッと減る
あなたが営業職の魅力を知って、あなたに合った営業職の種類を見つけることを願っております。
それでは今回はここまでとさせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。